脊柱管狭窄症による坐骨神経痛

【症状】足を動かす神経が圧迫されて痛みに

椎骨(背骨を形成する骨)の中央にあり、脊髄と、それに続く神経(馬尾神経=足の動きをつかさどる神経)が通っている場所を「脊柱管」と言います。この脊柱管が狭くなってしまうのが、脊柱管狭窄症です。腰のあたりで発症するものを「腰部脊柱管狭窄症」、首回りで発症するものを「頸部脊柱管狭窄症」と呼びます。腰部脊柱管狭窄症は、坐骨神経が連続的に鋭く痛み続ける「坐骨神経痛」の原因のひとつです。

脊柱管狭窄症になると、歩きはじめは普通に歩けるものの、しばらく歩き続けると脚が痛くなったり、しびれたり、こわばってもつれたりして、歩くことができなくなります(間欠性跛行)。しかし腰を丸めてしばらく休むと狭くなった脊柱管がある程度広がるため、症状がおさまります。症状が進行すると連続歩行距離や歩行時間がどんどん短くなり、さらに悪化すると仰向けに寝ても足がしびれるようになります。排尿・排便の障害を起こすこともあります。

【原因】先天的要因と「加齢」が原因に

狭くなった脊柱管が馬尾神経を圧迫し、坐骨神経痛や腰痛、下肢のしびれなどを生じさせます。生まれつき脊柱管が狭い・弱いといった先天的要因で発症する場合もありますが、一般的には加齢によって腰椎が変化し、脊柱管が狭くなってしまったために起こります。40歳以上の人に多い症状です。

【考え方】基本は「不通則痛」

漢方では、痛みの原因は「不通則痛」(ふつうそくつう…通ぜざれば則ち痛む=通じなければ痛む)と考えます。通じない原因が「瘀血」(おけつ…血液の流れや血液の質が低下した状態)であれば刺痛になり、「湿」(しつ…水が多い状態)であれば鈍痛になります。

しびれは、「血虚」(けつきょ…血の量が不足した状態)と「瘀血」が重なったときに生じます。

【処方例】痛みのタイプに応じて処方

痛みの起き方(起立時の痛みか、朝寝起きに痛むのか、5~6分歩くと痛むのか)や、痛みの種類(脹痛なのか、刺痛なのか、鈍痛なのか)などに応じて漢方薬を選び合わせ、その人に合った処方にします。主に、以下の生薬が入った処方を多く使います。

・当帰(とうき) ・芍薬(しゃくやく) ・川芎(せんきゅう) ・牛膝(ごしつ)
・防風(ぼうふう) ・防已(ぼうい) ・桃仁(とうにん) ・紅花(こうか) など