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2025年2月25日開催の勉強会のテーマは「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」についてでした。


過活動膀胱とは?
膀胱の筋肉が意図せず収縮することによる尿意切迫感および頻尿、尿漏れ等の症状を言います。
本人の意思とは関係なく、急に尿意を催して何回もトイレに行きたくなるため、日常生活や仕事に支障をきたす厄介な病気です。

過活動膀胱に対する『五臓(ごぞう)』の考え方
五臓六腑(ごぞうろっぷ)とは?
五臓六腑とは、東洋医学の考え方で、内臓をそれぞれ示しています。
五臓とは、『心臓』『肺』『肝臓』『腎臓』『脾臓』を指し、六腑とは、『胃』『小腸』『大腸』『胆嚢』『膀胱』『三焦』を指します。
以下、イラストをご参照ください。

過活動膀胱は、五臓の中では「肝」「心」「腎」と主に関係があります。
「肝」は「自律神経系」を司ります。緊張やストレスなどによる自律神経の乱れ(肝の失調)が原因であれば、「疏肝理気」という治法を選択します。
「心」は「精神活動」を司ります。頻尿による予期不安、緊張、心労が続く状態があれば、「清心」「養心安神」という治法を考えます。
「腎」は「水」を司り、「膀胱」と密接な関係があります。そのため「腎」が弱ると泌尿器系のトラブルが増える傾向があります。
また、「腎」は年齢とともに衰えていきますので、特にご年配の方には「補腎」という治法がメインになります。
五臓の考え方に加え、年齢や性別等を考慮すると、傾向が以下の通りに分類されます。
女性の場合
自律神経の乱れやストレス(肝)、そして頻尿による「予期不安」(心)が強くなります。
そのため、「疏肝理気(そかんりき)」や「清心(せいしん)」「養心安神()」中心の漢方薬を選びます。

男性の場合
ストレスによる自律神経の乱れ(肝)が原因の頻尿が多く見受けられます。
そのため、「疏肝理気」の漢方薬を中心に使います。

年配の方の場合
主に60歳以降になると「肝」「心」より「腎」の衰えによる頻尿が目立ちます。
そのため「補腎」の漢方薬をメインにします。
その他、冷えや胃腸虚弱があれば「温補脾腎(おんほひじん)」の漢方薬、前立腺肥大があれば、それに対応する薬を考慮します。

まとめ
中医学では、「過活動膀胱」を「気淋」(神経性の排尿障害)と捉えて気(肝)の失調を中心に治しますが、上記のように、他の要因と合わさっているケースが多く見受けられます。
日頃から排尿を上手くコントロールできずお困りの方は、ぜひ漢方の専門家へご相談ください。
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代表取締役社長 廿野 延和 - Tuzuno Nobuyasu –