【 “てんかん” と “ストレス” 】漢方薬の考え方について40年来の経験をもとにまとめました

目次

『てんかん』に対する処方

てんかんについて、漢方診療医典には以下の三処方が記述されています。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯加釣藤鈎(さいこかりゅうこつぼれいかちょうとうこう)、芍薬(しゃくやく)、黄連(おうれん)、甘草(かんぞう)
  • 小柴胡湯合桂枝加芍薬湯(しょうさいことうごうけいしかしゃくやくとう)
  • 抑肝散加芍薬(よくかんさんかしゃくやく)

『てんかん』が起きやすい人の特徴

てんかんの発作が起きる人の特徴としては以下のような点が挙げられます。

  • 仕事が多忙
  • 人間関係の悩み
  • 春先や秋の気圧の変化や前線の移動など気候の急変

てんかんの発作は、ストレスと深い関係にあり、特に自律神経の乱れやすい時に起きやすいようです。

春先は自律神経の乱れに注意

特にこれからの春先の時期には注意が必要です。

3月には卒業式や引っ越し、4月は新年度の始まりで多くの方が今までと違う新しい環境に身を置かれる方が多くいらっしゃいます。

普段ストレスを感じずらい方でも知らず知らずのうちに身体に負担がかかり、ストレスにより自律神経が乱れ「耳鳴り」「腹痛」「胃痛」「やる気がでない」などの症状で悩まれている方が多くなってくる時期でもあります。

そのようなストレスが原因で『てんかん』の発作が起きてしまう方もいらっしゃいます。

東洋医学の観点から『てんかん』を考える

漢方では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中で、「肝」が関係します。

「肝」は、気を巡らす作用があります。

「気」は温める力があるため、ストレス・気候の急変・ホルモンの変化等で、「肝の機能が失調(肝の失調)」し、気が上昇しやすくなります。
その結果、頭頂部がのぼせ、足が冷えやすくなります。

激しくなると、寒熱の差が大きくなり、自然界と同じで「風」と化します。

「肝」の風なので「肝風内動(かんぷうないどう)」とも表現されます。
この風動が発作、チック症状、手の震え等を起こすと考えられています。

肝の失調を治す生薬とは

一般的に、肝の失調を治す生薬は、「柴胡(さいこ)」が最も多く使われています。

漢方では、「陰」・「陽」という二つの概念があります。

陰は「血」「津液(しんえき)」「精」の集合体、陽は「気」の集合体です。

肝の失調により昇った気を治めるのが「血(肝血)」の役割になります。

この「肝血(かんけつ)」を増やして気の上昇を抑えるという方法に使われるのが「芍薬(しゃくやく)」です。特に「柴胡」と「芍薬」の組み合わせが効果的です。

また、上昇した気を下げるために、重たい生薬を用いて下げる方法もあります。

「大黄(だいおう)」は気を下げる作用がありますが効果としては弱いため、一般的には「竜骨(りゅうこつ)」と「牡蛎(ぼれい)」が使われます。

身体全体の気の失調や不安感には、「桂枝(けいし)」「甘草(かんぞう)」「竜骨」「牡蛎」の組み合わせも使われます。「風動(ふうどう)」という現象には、熄風剤(そくふうざい)を使うこともあります。(「釣藤鈎(ちょうとうこう)」という生薬が使われます)

1. 柴胡加竜骨牡蛎湯加釣藤鈎、芍薬、黄連、甘草

手の震え、体の震えなどに使用されている「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」には、柴胡・半夏(はんげ)・茯苓(ぶくりょう)・桂枝・黄芩(おうごん)・大棗(たいそう)・人参・竜骨・牡蛎・生姜(しょうきょう)・大黄が入っております。
さらに、釣藤鈎・芍薬・黄連・甘草を加えて、よく効くように考えられています。

2. 小柴胡湯合桂枝加芍薬湯(しょうさいことうごうけいしかしゃくやくとう)

相見先生が多くの患者さんに処方されて、よく効いていると書かれています。
これは方意的には、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)に「芍薬」を増量したものと同じであるため、一般的には「柴胡桂枝湯加芍薬(さいこけいしとうかしゃくや)」ということで使われています。

この処方も「柴胡+芍薬」という組み合わせで、特に「芍薬」を増量しています。さらに「釣藤鈎」「竜骨」「牡蛎」を入れることも一つの考え方としてあります。

3. 抑肝散加芍薬

「柴胡」「芍薬」「釣藤鈎」の組み合わせで考えられるのが「抑肝散加芍薬(よくかんさんかしゃくやく)」という方剤で、「風動」という概念では、体の震え、手の震え、子供のチック症状によく使われます。
体に「気」「血」が不足気味の方(虚証の方)にはこの方剤が向くこともあります。

病名ではなく、一人一人の症状と体質を見て使用する漢方の判断をさせていただいております。

そのため上記以外の漢方を使わせていただくこともございます。

是非、一度ご相談ください。

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