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2025年5月20日開催の勉強会のテーマは、百日咳などで知られる「長引く咳」についてでした。


春頃から「百日咳」などで、なかなか咳が止まらないという人が増えています。
今回は、この慢性化した「咳」に対する漢方(中医学)的な考え方を廿野先生に解説していただきました。
百日咳とは?
百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作(痙咳発作 )を特徴とする急性の気道感染症です。
百日咳は世界的に見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり、肺炎、脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。
厚生労働省, 百日咳 – 百日咳とは

咳は五臓における「肺」と主の関係があります。
外から「肺」へ邪気(細菌やウイルス)が侵入すると「肺」は邪気を追い出そうと「咳」を起こしますが、長期的なダメージを受けると「肺」の宣発粛降(せんぱつしゅくこう)機能※が失調して、咳が慢性化します。
※気や津液(水)を体内で発散、下降させること
「肺」は「脾」(胃腸)とも関係があります。
胃腸虚弱の体質、甘いものや水分の取りすぎ等で胃腸に負担がかかると、水分代謝が悪くなり「痰」が発生します。
また、消化不良で食べ物から「気」(エネルギー)を作れなくなると、「肺」の回復も遅くなります。その場合は「肺」と並行して「脾」の治療も必要となります。
廿野延和先生が咳を止める生薬によく使用するのは、「杏仁(きょうにん)」「桔梗(ききょう)」です。
これらの生薬に、咳の症状に合わせて以下生薬を加味します。
痰が多い咳(湿性咳嗽)
去痰作用のある「半夏」を使います。代表処方は「二陳湯」(半夏、陳皮、茯苓、生姜、甘草)です。
痰が少ない咳(乾性咳嗽)
「肺」を潤す「麦門冬」を使います。代表処方は「麦門冬湯」(麦門冬、半夏、人参、粳米、大棗、甘草)です。
息苦しい咳
「前胡(ぜんこ)」「款冬花(かんとうか)」、胃腸が弱ければ「人参」「白朮」「茯苓」等を加味します。
このように、咳のタイプに合わせて生薬(漢方薬)を選び、症状に合わせて生薬を加味します。
また、胃腸の調子が悪い方は「食養生」も必須です。
冷たいものや水分を取りすぎると脾虚(胃腸機能低下)になり、咳嗽回復の妨げにもなりますので、胃腸を冷やさない、消化の良い食べ物をよく噛んで食べることを心掛けましょう。
なかなか咳が治らないとお悩みの方は、ぜひ漢方専門の当薬局へご相談ください。
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代表取締役社長 廿野 延和 - Tuzuno Nobuyasu –