【定期漢方勉強会】夏バテ・熱中症について

2025年7月8日開催の勉強会のテーマは、「夏バテ・熱中症」についてでした。

今年は6月頃から30℃以上の日が続いており、既に夏バテ気味の方も多く見受けられます。

連日メディアでも夏バテ・熱中症について取り上げていますが、今回は漢方的視点から「夏バテ・熱中症」の予防と対策を廿野延和先生に解説していただきました。

1.発汗過多

暑さ(暑邪)により大量に汗をかくことで、体のエネルギー(気)と体の潤い(陰)を同時に失います。

漢方ではこれを『気陰両虚(きいんりょうきょ)』といいます。

そのため、汗をかいた時は「気・陰」を補う必要があります。

「気」を補う代表的な生薬は「人参」ですが、その他に「西洋人参」「大蒜(にんにく)」もおすすめです。

『気陰両虚』で代表的な漢方薬は「生脈散(しょうみゃくさん)」で、3つの生薬(人参、麦門冬、五味子)から構成されています。

夏バテや疲労回復に用いられ、中国では「飲む点滴」と言われています。

2.胃腸の不調

梅雨の時期から湿気(湿邪)が多くなると、湿に弱い「脾」(胃腸)がダメージを受けます。

これを『湿邪困脾(しつじゃこんぴ)』と言います。

湿気に加え、暑さが増すと食欲減少、水分の取りすぎ等で胃腸の状態が更に悪化します。

この場合は、「益気健脾(えっきけんぴ)」「健脾利湿(けんぴりしつ)」で「脾」を立て直します。

基本処方は「四君子湯(しくんしとう)」(人参、白朮、茯苓、甘草)ですが、体質・症状に合わせて生薬を加減(半夏、陳皮、厚朴など)します。

3.熱のこもり(うつ熱)

外出等で暑邪の影響を受けると、体の熱をうまく発散(発汗)できず、体内に熱がこもってしまう時があります。

その場合は「石膏(せっこう)」「知母(ちも)」「黄柏(おうばく)」などの清熱薬、「大柴胡湯(だいさいことう)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」等の清熱利湿の漢方薬を使います。

4.虚弱体質、高齢者

虚弱体質の方や高齢者は、体質的に五臓の「腎」が弱っている傾向にあります。

特に「陰」(潤い)が不足している痩せ型の高齢者は熱中症になりやすい体質と言えます。

「腎」を強化するものに「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」がありますが、これに麦門冬、五味子を加えたものが「味麦地黄丸(みばくじおうがん)」、知母、黄柏を加えたものが「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」です。

このような「腎」を強化する漢方薬を取り入れると、夏バテしにくい体質になります。


今月も猛暑が続き、熱中症で救急搬送される人が増えています。

異常気象とも言える猛暑が続いているため、熱中症にならないための生活習慣と体質づくりが必要となります。

平和島本店では、8月まで「熱中症対策キャンペーン」を行なっております。

熱中症対策におすすめの商品や紫外線対策商品を取り揃え、夏バテや熱中症にならない体質づくりをお手伝いいたします。

この機会に、ぜひお気軽にお立ち寄りください。


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