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【症状】便が出ない・少ない・固い状態
便秘とは、便が長時間結腸内にとどまっていて排泄しない状態を言います。具体的には、1週間に2回以下、あるいは3〜4日に1回以下の排便が便秘に相当しますが、毎日排便があっても量が少ない場合や、非常に固くて強い力みと苦痛を伴う場合、強い残便感がある場合も便秘症と診断されます。
ちなみに、健康な人の一日の排便量は、平均150〜250gと言われています。
【原因】2つの原因に分類できます
便秘は、原因によって「機能性便秘」と「器質的便秘」の2種類に分けられます。
便秘の主な種類と原因
機能性便秘(特発性便秘)
腸に特別な異常が認められないもの
- 一過性便秘…旅行や環境の変化などによって一時的に起こるもの。
- 常習性便秘…長期間にわたって続くもの。
-弛緩性便秘…全結腸での腸の緊張や、蠕動運動が減退するために起こります。
-痙攣性便秘…下降結腸の緊張が強すぎて内容物が通過障害を起こします。
-直腸性便秘…便が直腸内に充満しているのに、便意が弱くて排便できないもの。
器質的便秘
器質的疾患(内臓や神経、筋肉などの病理的・解剖学的な異常)によって起こるもの。主に以下の原因があります。
- 大腸の癒着、炎症、腫瘍
- 直腸脱、肛門脱
- 肛門部の痛みによる排便困難…痔、肛門周囲膿瘍
- 全身性疾患による腸管の運動低下…糖尿病、甲状腺機能低下症、脊髄損傷、強皮症など
- 薬剤の影響
- 妊娠などによる腸管の圧迫
【考え方】タイプに応じて異なる処方
漢方では、便秘は以下の4タイプに分けて考え、処方します。
漢方における便秘のタイプと処方
熱結タイプ
体内に熱がこもり、その熱で大腸の水分が蒸されて乾燥するために起こります。熱を冷まして通腸する作用のある「寫下薬」(しゃげやく…大黄〈だいおう〉など)などを使います。
気滞タイプ
ストレスや運動不足により、腸が動かなくなるために起こります。旅行中に便秘になるのもこのタイプです。気の流れを良くする「理気薬」(りきやく…木香〈もっこう〉など)などを使います。
気虚タイプ
便意があるものの力むことができないため起こります。気を補う「補気薬」(ほきやく…黄耆〈おうぎ〉など)などを使います。
血虚タイプ
大腸を潤すことができないために起こります。血を補う作用のある「補血薬」(ほけつやく…生地黄〈しょうじおう〉、当帰〈とうき〉など)などを使います。
陽虚タイプ
身体を温める作用が弱くなり、身体が冷えたために起こります。身体を温め、腸内の水分不足を改善する「潤腸」(じゅんちょう)の作用がある「補陽薬」(ほようやく…肉従蓉〈にくじゅよう〉など)といった漢方薬を使います。
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