【症状】関節が腫れ、やがて変形する病気

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。30代から50代に発病しやすく、約1対6の割合で女性に多い傾向があります。

初期には、関節の痛みや炎症、軽い貧血、血液の異常などが起こります。やがて指の関節が起床後しばらくこわばったり、さまざまな関節が腫れたりします。腫れは身体の片側ではなく左右対称に生じます。症状が進むと、関節が変形してしまい、日常生活に支障を来すようになります。関節の破壊は発症後2年以内に最も進行する傾向にあります。関節以外にも、血管の炎症による皮膚潰瘍、胸膜炎、間質性肺炎などを併発することがあります。

【原因】自己免疫疾患により関節が炎症

関節リウマチは骨や関節の病気と思われがちですが、遺伝による体質にウイルスなどの刺激が加わって、免疫に異常が生じて起こる「自己免疫疾患」のひとつと考えられています。血液中にある重要な免疫細胞である白血球は、通常は外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物を排除する役割を果たしていますが、自分自身の組織を異物とみなして攻撃してしまうという異常(自己免疫疾患)を生じてしまうことがあります。この際、関節の滑膜に炎症が起きると関節全体に炎症が広がり、軟骨や骨が破壊されて、最終的には関節が変形してしまうのです。

関節リウマチの発病には遺伝が関係することがわかっていますが、家族に関節リウマチの方がいるからといって、必ずしも発病するわけではありません。

【考え方】「風湿」が主な原因

関節リウマチは、漢方では「風湿」(ふうしつ…急な水分代謝の異常)によるものと考えられています。風湿がひどくなると体内に水がたまり、関節に冷えや腫れ、痛みが生じ、関節リウマチや変形性膝関節症といった症状が現れるのです。

ちなみに、中国では関節リウマチのことを「風湿」と言います。

【処方例】基本は「袪風湿」と「活血」

「袪風湿」(きょふうしつ…風湿を取り除くこと)と「活血」(かっけつ…血の流れをよくする)をする方法をとります。具体的には、蒼朮(そうじゅつ)、川芎(せんきゅう)、麻黄(まおう)、桂皮(けいひ)などが入っている漢方薬を使います。

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