【症状】慢性膀胱炎では、頻尿・痛み・にごりが長く続く

一日の排尿回数は、4回〜6回が普通ですが、尿をしたあと、一定の時間が経っていないのにすぐ尿意を感じてしまい、排尿回数が異常に多くなることを「頻尿」といいます。具体的には、起きている間に8回以上の排尿、就寝している間に2回以上の排尿をするようになると頻尿であると考えます。

女性の場合、頻尿の原因は「慢性膀胱炎」であることが多いようです。膀胱炎は男性より女性に多く発症する傾向があります。急激に発症したものを「急性膀胱炎」、比較的軽い症状が長期間続くものを「慢性膀胱炎」と言います。

膀胱炎の主な症状
頻尿
排尿時の痛み・不快感
尿のにごり

血液や膿球、細菌などで尿がにごります。

【原因】主に細菌感染によって発症

慢性膀胱炎は、急性膀胱炎から慢性膀胱炎に症状が移行する場合と、はじめから慢性のかたちで発症する場合があります。

膀胱炎の原因は、大部分が大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などによる細菌感染です。女性は尿道が短いうえに、性行為の際に尿道へ細菌が入りやすいため、男性より感染しやすいようです。また、過労、風邪、生理、妊娠などで抵抗力が落ちていたり、排尿を我慢し続けていたりすると膀胱炎を発症することがあります。子宮などの炎症が原因で起こることもあります(尿道膀胱炎)。膀胱の腫瘍や結石、結核、前立腺肥大症(男性のみ)、腎臓疾患などにより慢性膀胱炎と同様の症状が現れる場合もあるため、注意が必要です。

【考え方】「水」と「熱」がたまった状態

漢方では、膀胱炎の原因は主に、体内にたまり過ぎた余分な「水」と「熱」が、気や血の巡りを邪魔してさまざまな不調が起こる「湿熱」(しつねつ)の状態にあると考えます。

【処方例】まずは「湿熱」を取り除く

痛み、血尿が出る場合は「清熱」(せいねつ…熱を冷ますこと)を中心に処方します。頻尿(過活動膀胱炎を含む)については、神経性の排尿障害である「気淋」(きりん)ととらえて、気の失調を治しつつ、冷えを取るための漢方薬を使います。

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