【定期漢方勉強会】子宮腺筋症について

2025年7月12日開催の勉強会のテーマは、「子宮腺筋症」についてでした。

子宮腺筋症とは、子宮内膜あるいはそれに類似した組織が子宮筋層内に入り込み、子宮筋を増殖させる良性疾患です。かつては子宮内膜症の一種とされていましたが、現在では別の疾患として分類されています。

西洋医学では、軽度の場合は薬物療法、重度の場合は手術が検討されます。しかし、手術をしても完治が難しいとされており、根本的な治療が難しいのが現状です

主な症状

子宮腺筋症の主な症状は以下となり、漢方薬によるアプローチが有効とされています。

  • 強い月経痛
  • CA125の高値
  • 肛門痛
  • 性交時の痛み
  • 腹部膨満感
  • 腹水の貯留
  • 癒着 etc

子宮腺筋症に対する漢方の考え方

漢方では子宮腺筋症の原因を、主に「熱毒」「瘀血(おけつ)」「痰湿(たんしつ)」と捉えます。

熱毒

熱毒に対しては、「五涼華(ごりょうか)」「散積宝(さんせきほう)」といった清熱解毒剤が使用されます。

五涼華には、金銀花(きんぎんか)・蒲公英(たんぽぽ)・野菊花(のぎく)・紫花地丁(しかじちょう)・龍葵(りゅうき)といった5種の植物が配合されており、体内の過剰な熱や不要物を取り除く働きがあります。

また、散積宝は御種人参(おたねにんじん)・龍葵(りゅうき)・半枝蓮(はんしれん)・白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)などを含み、慢性炎症に対する効果が期待されています。


中医学では、慢性炎症は「正気不足」と「邪気の侵入」によって引き起こされるとされ、「扶正袪邪(ふせいきょじゃ)」――すなわち、体を悪化させる原因を取り除き、身体の抵抗力を高めること――によって改善を目指します。

養生法としては、刺激の強い食べ物を避け、果物や野菜などの食物繊維を多く含む食事を心がけ、便通を良くすることが重要とされています。

瘀血・痰湿

子宮腺筋症では「瘀血」(血の滞り。特に古い血が子宮内に蓄積しやすい)と「痰湿」(余分な水分の停滞)が同時に発生しやすくなります。

これらに対しては、延胡索(えんごさく)を含む「折衝飲(せっしょういん)」や、ヒルを配合した「水快宝(すいかいほう)」、田七人参(でんしちにんじん)などの活血化瘀薬、シベリア霊芝(れいし)やホンサージなどの利湿薬・去湿薬を併用していきます。

これらの生薬は漢方薬局のみで取り扱われており、より高い効果が期待できます。

妊活中の方

妊活中の方には、卵胞発育期における炎症や、子宮内膜の瘀血による癒着への対応も重要です。

そのため、低温期・高温期それぞれに応じて、前述の清熱解毒剤・活血化瘀薬・利湿薬を使い分けることが勧められます。

特に体外受精においては、卵子の質を高める点で漢方が得意とする分野であり、採卵数を増やすホルモン剤と使い分けることで、より良い結果が期待できます。

婦人科系疾患や妊活相談を専門とする野村直子先生の、深い知識と丁寧でわかりやすい講義は、社内でも非常に好評で、大変勉強になる時間となりました。婦人科系疾患でお悩みの方や妊活相談をされたい方ぜひ、平和島本店 野村直子先生にご相談ください。


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