LINEで簡単ご予約/相談
【帯状疱疹(たいじょうほうしん)】発症原因や症状、治療方法とは?漢方を用いるメリットや効果を詳しく解説

加齢や過労・重度のストレスなどが原因で発症すると言われている帯状疱疹(たいじょうほうしん)。
一度発症すると長期痛みに見舞われるため、QOL(生活の質)が著しく低下する可能性があります。
QOLが落ちると心身の健康状態が悪化するため、日常生活や社会的活動に支障をきたしてしまいます。帯状疱疹は死に至るほどの病気ではありませんが、ご高齢の方が発症しやすい病気でもあるので非常に注意が必要です。
本記事では帯状疱疹について症状や原因・治療方法・ワクチン情報に加え、帯状疱疹に効果があるとされている漢方薬についてもご紹介していきます。
QOLとは?
Quality Of Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略称で、個人の人生や生活における満足度や幸福感を指す概念になります。
生活の質を意味し、健康状態だけでなく精神的・社会的・経済的な状況などを含めた総合的な豊かさを意味します。
帯状疱疹になる原因や症状とは?

帯状疱疹とは上半身の左右どちらかのみに、帯状に発疹が出る皮膚の疾患です。
こちらでは、帯状疱疹について原因や症状などを詳しくご説明していきます。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹とは、「水痘(水ぼうそう)と同じウイルスが原因」で起こる皮膚の病気です。
過去に水ぼうそうにかかったことがある人は、体内に水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスが潜伏しています。通常は免疫力により抑えられていますが、加齢やストレス・疲労などで免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、帯状疱疹として発症することがあります。
帯状疱疹は以下のような順序で発症します。
- 子供のころ水ぼうそうを発症すると治った後も体内の神経節に残り、長期間潜伏
- 加齢・ストレス・疲労・疾患などによる免疫力の低下で潜伏していたウイルスが再活性化
- 神経を伝わって皮膚へと移動、炎症を引き起こし帯状疱疹となって現れる
帯状疱疹の症状
帯状疱疹の症状は、多くの場合初期症状ではピリピリ・チクチク・ズキズキとした痛みやかゆみ、皮膚の違和感が現れ、その後数日~1週間程度で発疹ができ始めます。
さらにその後、水ぶくれへと変化し、体の左右どちらか片側の神経に沿って帯状に広がっていきます。個人差はありますが、このときは焼けるような痛み・神経痛のような痛み・刺すような痛みなど、強い痛みへと変化する場合が多くあります。
他にも、頭痛・発熱・倦怠感などの全身症状が見られることもあります。そして、初期段階で透明だった水ぶくれは数日経つと黄色い膿が目立ち、1週間ほどで自然に破れ、2週間ほどでかさぶたになり、約1ヵ月前後で元の皮膚に戻ります。
また、帯状疱疹自体は人に感染することはありません。しかし過去に水ぼうそうにかかったことのない人が、帯状疱疹患者の水ぶくれに触れると水ぼうそうとして感染する可能性がありますのでご注意ください。
日本の帯状疱疹の患者数。どのような人がなりやすい?
日本では、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると厚生労働省のデータから推定されています。
50代から発症率が上がり、70代でピークを迎えるということも、厚生労働省のデータからわかっており、女性のほうが男性よりも発症しやすい傾向にあるようです。
また、85歳の人の約半数が帯状疱疹を経験していると報告されており、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されている。
引用:厚生労働省, 帯状疱疹ワクチン ファクトシート 平成29年(2017)年2月10, 帯状疱疹ワクチン ファクトシートの要約 疫病の特徴, 2017, (参照:2025-06-01)
1997年から帯状疱疹の調査をしている国立健康危機管理研究機構の「帯状疱疹大規模疫学調査 宮崎スタディ」によると、2017年までの人口が減少しているにもかかわらず、帯状疱疹患者は増加しているというデータが出ています。
また、20〜40代の帯状疱疹の患者は特に2014年以降増加し続けているということがわかりました。この背景には2014年より子供への水痘(水ぼうそう)ワクチンが、定期接種になったことが関係しているようです。
ワクチンの定期接種により、2014年以降水ぼうそうにかかる子供が減少し、大人が水痘ウイルスにさらされる機会が減ったため、免疫力のブースター効果が弱くなったと考えられています。そのため、若年層の帯状疱疹が増加傾向にあるようです。
帯状疱疹になりやすいのは次のような方です。
- 50歳以上の方
- 高齢者
- 過去に水ぼうそうになったことがある方
- 過労や疲労によるストレスがある方
- 風邪などの疾患がある方
- 不規則な生活習慣の方
特に50歳を過ぎると、加齢に伴い免疫力が低下しやすくなるため、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化を抑えきれなくなり、帯状疱疹を発症しやすくなります。しかしながら、20~40代でも過去に水ぼうそうを経験していたり、ストレスの蓄積や風邪などの疾患があると発症する恐れがあります。
また、睡眠不足や偏った食事など不規則な生活習慣も免疫力低下につながるので規則正しい生活を送ることが大切です。
帯状疱疹は体のどこに現れるのか
帯状疱疹は主に胸・背中・腕・お腹・脇の下などの上半身の左右どちらかに症状が多く見られます。
しかし、人によっては目の周り・頬・口の周り・鼻などの顔面のほか、腕・首・腰・おしりなど全身どこにでも現れる可能性があります。
帯状疱疹と似た症状の疾患をご紹介

帯状疱疹には似ている症状の疾患がいくつかあります。
こちらでは、帯状疱疹とは異なりますが、似ている疾患のご紹介と帯状疱疹との違いや見分け方ついて詳しく解説していきます。
①:ヘルペス
ヘルペスとは細かい水ぶくれができる皮膚や粘膜の疾患で、通常はヘルペスウイルスによる感染症のことを指します。
かゆみやほてり・ピリピリするなどの症状があり、唇やデリケートゾーンに発症しやすい傾向にあります。
ヘルペスウイルスは8種類もあり、どれも非常に強い感染力を持っており接触感染により感染します。
ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が治まっても完全に体内からいなくなることはありません。一部の神経節に潜伏し続け、免疫力が落ちると再発を繰り返します。
②:接触皮膚炎(かぶれ)
接触性皮膚炎とは一般的に「かぶれ」と呼ばれ、原因となる物質に触れることで皮膚に炎症が起きる疾患です。
赤み・かゆみ・水ぶくれ・ブツブツ・皮むけ・乾燥などさまざまな症状があり、アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
接触性皮膚炎の原因は、化粧品・金属・洗剤・植物・衣類・食品・化学物質など多岐にわたります。
顔・手・足・首・おしりなど、原因物質に触れたところに症状が出やすい傾向にありますが、掻きむしることで全身に症状が広がる場合もあります。
③:水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)
水疱性類天疱瘡は水ぼうそうとは異なる疾患です。
自己免疫疾患のひとつで、皮膚の基底膜にあるタンパク質を自己抗体が攻撃することで皮膚に水疱ができる病気です。
特に70〜90代の高齢者に多く見られ、皮膚の表面や粘膜に水疱やびらん・紅斑ができ、強いかゆみを伴うことがあります。
原因は完全に解明されていないようですが、自己免疫のほか遺伝や環境も関係していると考えられています。
また、水疱性類天疱瘡は自己免疫性の疾患なので、人に感染することはありません。
④:蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は比較的よくある皮膚の病気で、皮膚の一部が突然蚊に刺されたように赤く腫れあがり、かゆみをや痛みを伴います。
原因はさまざまで、アレルギー反応・物理的な刺激・温度変化・感染症・ストレスなどが関係していると言われています。そのような要因により、もともと皮膚組織の中にあるヒスタミンという物質が放出され、血管が拡張することで発症するとされています。
太ももや腹部・臀部・頬・膝の裏・首などの皮膚が柔らかいところに出やすい傾向がありますが、全身に発症する可能性もあります。症状には個人差がありますが、数時間から24時間程度で消えることが多いのが特徴です。
⑤:湿疹(しっしん)
湿疹とは皮膚の表面に起こる炎症の総称を指します。
アトピー性皮膚炎やあせも・手湿疹・脂漏性皮膚炎などさまざまな種類があり、刺激の強い外的要因と人による体調や体質などの内的要因が重なって発症します。
額・目の周り・耳のまわり・肘・膝・頭皮・背中など全身どこにでもできやすく、赤み・かゆみ・ぶつぶつ・ガサガサなど症状も多岐に渡ります。
⑥:手足口病
手足口病とは、手・足・口の中などに水疱性の発疹を伴うウイルス感染症です。
主に子供を中心に夏に発症しやすく、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因となります。
感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染と、ウイルスが付着したスマホやリモコンに触れたり、便に潜むウイルスが手指に付着し、口や鼻に触れることで接触感染が起こります。
感染をしてから3~5日後程度で2~3㎜くらいの水疱が現れるのが特徴です。発熱を伴うこともありますが、38℃を超えることは少なく通常は3~7日程度で自然治癒します。
⑦:ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとは突然の発熱と、のどにできる1〜2㎜の水疱が特徴の夏風邪の一種の感染症です。
大多数がエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによるもので、主に4歳以下の乳幼児を中心に発症し、高熱・のどの痛み・食欲不振を伴います。
感染経路は手足口病と同じように、飛沫感染や接触感染になります。ヘルパンギーナには特効薬やワクチンがありません。基本的には軽い症状のため、経過観察や症状を緩和するための鎮痛剤や口内炎の軟膏などが処方されることがあります。
上記の疾患の特徴・違いや見分け方を簡単な表にまとめました。
疾患名 | 特徴 | 違い | 見分け方 |
帯状疱疹 | 水ぶくれが体の左右どちらかの神経に帯状に発症し、ピリピリ・チクチクとした痛みやかゆみを伴う | ・上半身(胸/背中/脇腹など)にできやすい ・顔面(特に目のまわり)にできやすい ・帯状疱疹そのものは感染しない ・一か月前後で治癒する | ・水痘帯状疱疹ウイルスが原因・水ぶくれが出る前に神経痛を感じることがる | ・症状が体の片側に帯状に出る
ヘルペス | 細かい水ぶくれができる皮膚や粘膜の疾患で、かゆみやほてり・ピリピリするなどの症状 | ・直接接触や間接接触(人から人へ)感染する ・帯状疱疹ほどの強い痛みではない ・1~2週間で治癒する | ・ヘルペスウイルスが原因唇やデリケートゾーンなど、部分的に症状が現れやすい |
接触性皮膚炎 | かぶれと呼ばれ、原因物質が触れた部分に赤み・かゆみ・水ぶくれなどの症状が出る | ・原因物質が触れた部分に症状が出る ・痛みは弱くかゆみは強い | ・特定物質のアレルギー反応が原因帯状に広がることはない |
水疱性類天疱瘡 | 自己免疫性の疾患で、皮膚や粘膜に水ぶくれやびらん・紅斑ができる | ・帯状疱疹より痛みは軽度 | ・自己免疫がタンパク質を壊してしまうことで起こる特に膝の裏/脇の下/肘の内側/などの曲げやすい部分にできやすい |
蕁麻疹 | 皮膚の一部が突然蚊に刺されたように赤く膨れ上がり、数時間で消える | ・ヒスタミンという物質が放出され血管が拡張することで起こる ・数時間~24時間程度で消えることが多い ・痛みはほとんどない | ・アレルギー/刺激/ストレス/温度変化/感染症など皮膚が円形や地図系に膨れ上がる |
湿疹 | 皮膚の表面にできる炎症の総称。 かゆみ・赤み・ブツブツ・ガサガサなどの症状が出る | ・特定物質や刺激に触れた場合に発症しやすい | ・アレルギー/乾燥/摩擦/バリア機能の低下/ストレス/体調不良などが原因体全体に赤みや痒みが広がることが多い |
手足口病 | 手・足・口の中に2~3㎜の水疱性の発疹ができる感染症 | ・夏に発症しやすい ・主に子供に多く見られる ・痛みは比較的少ない | ・飛沫感染や接触感染で発症する・手/足/口の中に見られる | ・主に子供に多く見られる
ヘルパンギーナ | のどの奥に1~2㎜程度の水ぶくれができ、痛みや発熱を伴う感染症 | ・夏に発症しやすい ・飛沫感染や接触感染が原因 ・比較的短期間で治癒する | ・主に4歳以下の乳幼児に見られる・乳幼児に多く見られる | ・口の中(特にのどの奥)に発症する
このように、帯状疱疹には似ている症状の疾患はいくつかあります。これは全て帯状疱疹とは別の疾患になります。ただし、上記の症状を自己判断で見分けることは専門家でないと非常に難しいですし感染する疾患も多くあります。症状が現れたら決して自己判断はせず、医療機関を受診し、医師の適切な診断をもとに治療を受けることが最善です。
帯状疱疹の予防方法

帯状疱疹を予防するには、予防接種(ワクチン)を受けることと、免疫力を高めるための規則正しい生活をすることが大切です。
予防接種(ワクチン)
帯状疱疹の予防接種は、50歳以上の方に推奨されています。ワクチンは「生ワクチン」と「組換えワクチン」の2種類があり、どちらも帯状疱疹の発病予防と、重症化予防に効果があります。
予防接種を検討している方はどちらのワクチンが自分に合うか、事前に医師と相談してから選ぶと安心です。
規則正しい生活
帯状疱疹を予防するには、免疫力を高めるための生活習慣の改善も大切です。バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を低下させるような偏食や暴飲暴食は避けたほうがベストです。
また、適度な運動は免疫力をアップさせるのに効果的です。
ウォーキングや軽いジョギングなどの、無理のない範囲で行える運動がおすすめです。そして、睡眠不足やストレスは免疫力を低下させるため、十分な睡眠時間やリラックスできる時間を設けることが大切です。
帯状疱疹の『 ワクチン接種 』情報
こちらでは、ワクチン接種についての情報をご紹介いたします。

帯状疱疹のワクチン接種は、2025年4月1日から定期接種が開始されています。
対象者は原則として65歳になった方や、免疫機能に障害がある60~64歳の方などになります。また、5年間の経過措置として65歳以上(70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳)の方も、一定の年齢に達した際に接種の機会が設けられます。
ワクチンには種類があり、現在「生ワクチン」「組換えワクチン」の2種類があります。それぞれ接種回数や効果・費用が異なり、重い症状ではありませんが副反応が出る可能性があることも、厚生労働省より告知されています。
帯状疱疹のワクチン接種は保険適用?
帯状疱疹のワクチンは原則、保険適用外の自由診療となるので、接種費用は自己負担となります。
一方で、一部の自治体では接種費用の助成を実施している場合がありますので、詳しくはお住まいの自治体窓口にお問い合わせることをおすすめします。
50歳以下でもワクチンの予防接種は可能?
帯状疱疹のワクチン接種は、基本的には50歳以上の方が対象です。
一方で、「シングリックス」というワクチンであれば医師が接種必要と判断した場合、18歳以上50歳未満の方で以下に該当されるような方であれば予防接種を受けることが可能です。
- 病気や治療により免疫に異常がある人
- 免疫機能が低下している人
- 帯状疱疹にかかるリスクが高い人 など
帯状疱疹の最新のワクチンと一般的なワクチン

現在、日本では帯状疱疹の予防接種として、「ビゲン」と「シングリックス」という2種類のワクチンが予防接種として使われています。
ビゲンは従来のワクチンで、もともと水ぼうそうのワクチンとして使われてきた生ワクチンです。1回の接種で済み、発病予防は50%程度とされ、5年を過ぎると効果が低下していきます。
一方、シングリックスは2020年に発売された新しい組換えワクチンで、接種は2回必要ですが、免疫の持続効果が高く約10年ほど持続すると言われています。
どちらも接種方法・回数・費用・効果・接種条件などが異なります。そのため、どちらを選ぶか迷う場合は医療機関にて相談することをおすすめします。
帯状疱疹の治療方法

帯状疱疹が発症した際の治療は、抗ウイルス薬によるウイルス抑制と、鎮痛薬による痛みの抑制を中心に行われますが、塗り薬が使われることもあります。
こちらでは帯状疱疹の治療方法を解説していきます。
また、東洋医学である漢方や鍼灸治療も帯状疱疹に効果が期待できるのかもしっかりご説明いたします。
治療法その1:抗ウイルス薬
帯状疱疹の治療には、水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が使われます。抗ウイルス薬は、発疹出現72時間以内に服用を開始することで症状の進行を抑え、重症化を防ぐことができます。
代表的な抗ウイルス薬は以下のようなものがあります。
- アシクロビル
- バラシクロビル
- ファムシクロビル
- アメナメビル etc.
いずれも飲み薬になり、ウイルスのDNA複製を阻害し増殖を抑えます。
症状が重い場合は入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することもあります。
治療法その2:鎮痛薬
帯状疱疹の痛みには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が処方されます。
これらの鎮痛薬は、痛みのサインを遮断し、痛みに気づきにくくすることで効果を発揮します。
痛みが強い場合はオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)が処方されることもあります。
また、薬局やドラッグストアで販売されている市販薬で、帯状疱疹そのものを治す薬は現在日本では販売されていません。ロキソニンなどの鎮痛薬は、帯状疱疹の痛みを一時的に止めることはできますが、医療機関を受診するまでの間の痛みの軽減程度にしかならず、症状そのものを改善することはできず、帯状疱疹の症状を改善する薬は病院でしか処方してもらえないため、症状を見て怪しい場合はすぐに医療機関への受診するようにしてください。
治療法その3:塗り薬
帯状疱疹の塗り薬は、症状が軽い場合やウイルスの活性化が抑えられている場合に用いられます。塗り薬を赤い発疹の患部に塗ることで皮膚の炎症が抑えられ、赤みや痛みが軽くなります。また、二次感染を防ぐ効果も期待できます。
ほかにも、帯状疱疹により皮膚にできた水ぶくれが破け、深い傷ができてしまうことがありますが、そのような皮膚症状を改善するために塗り薬が処方されることがあります。
治療法その4:鍼灸(しんきゅう)
鍼灸とは、東洋医学の一分野で、鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて、体の不調を改善する治療法のことを指します。
経穴(けいけつ:東洋医学でいうツボ)を刺激することで、自然治癒力を高め、病気の治療や予防・健康維持・増進をサポートします。
帯状疱疹の鍼灸治療は、鎮痛効果や免疫力向上に効果が期待できると言われています。特に帯状疱疹の神経痛の緩和に有効とされており、早い段階で施術をすることで早期改善が見込めます。
鍼灸治療では患部や神経の走行に沿って針を打つことで痛みを緩和したり、お灸で温め自律神経を整え免疫力を高めることで、皮膚の炎症の治癒を早めることができます。また、全身のバランスを整えることで、自然治癒力を高める効果も期待できます。
帯状疱疹と漢方薬の関係について

帯状疱疹と漢方薬はどのような関係があるのでしょうか?こちらでは、漢方薬と帯状疱疹の関係性について詳しく解説していきます。
漢方薬とは?

漢方とは中国伝来の医学である漢方医学に基づき、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展した日本の伝統医学のことです。
また、漢方薬は動物・植物・鉱物などの天然由来の成分である生薬を2種類以上組み合わせて作られた薬のことで体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目的としています。
漢方医学では、「心と体は切り離すことができない関係」という考えに基づいているため、漢方薬で心と体のバランスを整え、症状の改善を目指していきます。
さらに漢方薬は、さまざまな生薬の組み合わせにより、個人の体質や細かい症状に合わせて適した処方をすることができるのも大きな特徴です。
帯状疱疹の患者様で漢方薬が適している方は?
帯状疱疹の患者様で漢方薬が適している人は、以下のような方になります。
- 体力や免疫力が低下している方
疲労感・倦怠感・風邪をひきやすい・食欲不振など - 痛みの緩和や自然治癒力を高めて早く治したい方
病院ですでに抗ウイルス薬・塗り薬などを処方されているが、痛みや治りが改善されない、早く治したいという方 - 帯状疱疹治癒後も神経痛が続く方
症状は治ったものの痛みが長引きストレスを感じられている方 - 精神的な症状がある方
不安・不眠・イライラなど精神的な疾患のある方 - 気血両虚証(きけつりょうきょしょう)の方
舌の色が白っぽい・めまいやたちくらみがする方
帯状疱疹で一般的に使われている漢方薬は?
漢方においての帯状疱疹は急性期(発症時初期)と帯状疱疹後神経痛(皮膚症状が治った後も続く痛み)で考え方が異なります。
急性期には炎症やむくみなどを抑える効果が必要と考えられています。そのためには代謝機能を高め、体内の水分の排出を促し、皮膚の炎症を抑える以下のような漢方をご提案いたします。
五苓散(ごれいさん) | 代謝機能を高め、体内に溜まった余分な水分を排出する |
越婢加朮湯(えっぴかじゅっとう) | 熱っぽさや強い赤みのある湿疹、皮膚の炎症を和らげる |
柴苓湯(さいれいとう) | 体内の免疫反応を調節して炎症を緩和する |
黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) | 体を冷やして熱を取り、炎症を鎮静させ皮膚炎を和らげる |
また、帯状疱疹後の神経痛は自律神経の乱れや中枢神経の興奮・炎症・体内の熱の滞り・冷えなどが原因と考えられています。そのため、正気(せいき:人が持つ生命力や抵抗力)を高め、免疫力を高める以下のような漢方薬をご提案いたします。
(まおうぶしさいしんとう) | 麻気附子細辛湯体を温め痛みを鎮める作用があり、特に冷えに効果があるとされている |
(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) | 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 体を内側から温め、冷えや血行不良による痛みを和らげる |
(けいしかじゅつぶとう) | 桂枝加朮附湯温熱作用で冷えによる痛みを緩和し、体力が低下している患者に適している |
(じゅうぜんたいほとう) | 十全大補湯胃腸機能を高め気と血の生成を促し、全身のバランスを整える |
※患者様の容態や現在の症状、生活環境など細かくヒアリングさせて頂き患者様に最も適した漢方薬をご提案するためご提案する漢方の生薬の組み合わせや容量などは全て細かくことなりますので、単純に上記の漢方だけを自己判断でインターネットなどで購入したりせずに一度最寄りの漢方薬局にご相談ください。
なぜ漢方薬は帯状疱疹に効果があるのか?
漢方では、帯状疱疹になった患者様の原因を生活習慣からヒアリングさせて頂きながら探っていきます。
冷えや運動不足などで血行が悪い方は血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」により痛みが生じている可能性があります。また、イライラなど精神的ストレスが強い方は、心を安定させる気が存分に機能していない「気滞(きたい)」によるものだと考えられます。
帯状疱疹の水ぶくれのほか、むくみや体のだるさを感じていらっしゃる患者様は、代謝機能が低下し余分な水分が体に溜め込まれた状態「水湿(すいしつ)」や「痰湿(たんしつ)」が原因の可能性もあります。
このように、漢方ではひとりひとりの症状や体質・ライフスタイルに合わせて漢方薬を取り入れることができるため、帯状疱疹の改善に適しています。
漢方相談で帯状疱疹を予防・改善

こちらでは、漢方相談の魅力と漢方で帯状疱疹の予防・改善ができるということについてお伝えしていきます。
漢方相談とは?

漢方相談では、漢方薬を専門とする薬剤師や相談員が、患者様ひとりひとりの体質や症状・生活習慣などを詳しくヒアリングし、その方に合った漢方薬を提案いたします。
仮に同様の症状であっても、年齢・体質・性格・生活環境などは人それぞれ異なるため、その微妙な違いを細かな問診をし、根本原因を探っていきます。それにより、『現在の患者様の症状に最適な漢方』を選別しご提案いたします。
また、漢方相談では根本原因の改善を図るにあたり、定期的に通えるところやオンラインで漢方相談を行っている漢方薬局をおすすめします。
全国にはさまざまな漢方薬局がありますが、その中でも私たち「漢方ツヅノ薬局」の強みは以下になります。
- 創業70年の長い歴史があるため、豊富な知識と数々の症例や実績を参考に漢方薬の処方が可能です。
- 症状や体質・生活習慣などを細かくヒアリングし、五臓六腑・気血水・陰陽理論から総合的に判断し、オーダーメイドで調合した漢方薬をご提案します。
- 店舗は東京に2店舗。
平和島本店は京急線平和島駅から徒歩1分、田島町店はJR田町駅・三田線田町駅から徒歩3分と、どちらも駅から近く通いやすい立地にお店を構えております。 - 患者様のライフスタイルに合わせて服用しやすい薬を数多くご用意し、最適な服用方法をご提案しております。
- 万が一漢方薬の改善が好ましくない、患者様のお身体に合っていないなどあれば、すぐに生薬の組み合わせや量などを調整し常に最適な漢方薬をご提供いたします。
- オンライン相談が可能なため、遠方の方や店舗訪問が難しい方、全国だけでなく海外にお住まいの方にもオンライン会議にてオンライン漢方相談が可能です。
- 漢方相談のご予約は、患者様のライフスタイルに合わせて、お電話・LINE公式から可能です。LINE公式からのご予約であれば24時間365日ご予約可能になります。
- 漢方相談後の漢方に関するちょっとしたご質問やご相談などいつでもLINEチャットからトーク可能です。
※詳細は「漢方ツヅノ薬局」相談サービスページをご覧ください。
漢方薬で帯状疱疹を ” 予防 ”
帯状疱疹を予防するためには規則正しい生活をし、十分な睡眠・適度な運動・バランスの取れた食事をすることで、免疫力を高めることが大切です。
漢方薬で帯状疱疹を ” 改善 ”
漢方では帯状疱疹を改善において炎症を抑え、免疫力を高め、体質を改善することで症状の緩和と再発予防を目指します。
初期の炎症や腫れがある場合は利水作用や清熱作用のある漢方薬を用いてそれらの症状を抑えます。また、免疫力をアップさせるために体質に合った漢方薬を併用いたします。
帯状疱疹後神経痛に対しても血行を促し、痛みを緩和する漢方薬をご提案します。
まとめ

帯状疱疹は、過去に水ぼうそうにかかったことがある人が、加齢やストレス・疲労などの要因で水痘(水ぼうそう)と同じウイルス「水痘帯状疱疹ウイルス」が再活性化し発症する疾患です。
主に上半身の左右どちらか片側の神経に沿って帯状に発疹が出るのが特徴で、50代から発症率が上がり70代でピークを迎えることがわかっています。
帯状疱疹を予防するためには、ワクチン接種と規則正しい生活習慣が大切です。治療法には以下のようなものがあります。
- 抗ウイルス薬
- 鎮痛薬
- 塗り薬
- 鍼灸(しんきゅう)
通常は死に至るほどの病気ではありませんが、帯状疱疹の症状が原因でQOL(生活の質)が落ち、誰かと話をする気力がなくなったり、外に出たりする意欲がなくなってしまうこともあります。
多くのご高齢者がかかる疾患ではありますが、予防接種などもあるため事前に予防法をしっかりと理解しておき、発症後はすぐに医療機関を受診することが大切です。
また、漢方薬では帯状疱疹の予防・改善をするにあたり、特に免疫力を高め体質を改善していくことが重要となります。帯状疱疹の症状は同じでも、患者様の体質・生活習慣などにより適した漢方薬の種類や生薬はひとりひとり異なります。
近年、インターネットでも手軽に漢方薬を入手することができますが、その人に適した漢方薬の選択には専門的な知識が必要になります、間違った情報で漢方薬を手に入れ、服用してしまうと副作用が起こり大変な事態に至ることもあります。
帯状疱疹には似た症状の疾患がいくつもあるため、自己判断はせず、一度専門医や漢方薬局にて専門家のカウンセリングを受け、ご自身に適した漢方薬を購入するようにしてください。
私たち「漢方ツヅノ薬局」は70年の老舗漢方薬局です。 帯状疱疹の急性期(発症時初期)と帯状疱疹後神経痛(皮膚症状が治った後も続く痛み)に対する症例は数多くございます。帯状疱疹の症状が改善しない・早く治したい・予防するために体の免疫を高めておきたいなどお考えの方は、ぜひ一度お電話・メール・LINEにてお気軽に「漢方ツヅノ薬局」までご相談ください。
漢方相談前にお問い合わせをされたい方は、
お問い合わせページよりご連絡いただく、もしくは当薬局代表電話(03-3765-5151)まで直接お電話ください。
皆様からのご相談やお問い合わせお待ちしております。
代表取締役社長 廿野 延和 - Tuzuno Nobuyasu –