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【症状】月経に伴うさまざまな症状や周期等の異常
月経は周期、持続日数、出血量の異常、痛みなど、さまざまなかたちで異常が現れることがあります(月経異常)。俗に生理痛と言われるものは、医学的には「月経困難症」と呼びます。生理不順には、無月経、稀発月経、頻発月経など、いくつかの種類があります。
月経異常の主な種類
月経困難症
月経時に痙攣性の下腹痛、腰痛、頭痛、悪心、嘔吐などが生じます。
(続発性)無月経
妊娠、授乳、更年期などの原因がないのに、90日以上月経がない場合。なお、満16歳以後になっても初潮がないことを「原発無月経」と言います。
月経前症候群(PMS)
月経の3〜10日くらい前から、不眠、いらいら、憂うつ、乳房痛、悪心、便秘、のぼせ、むくみ、下腹痛などの症状が現れ、月経開始とともに軽快化したりなくなったりする場合。
稀発月経
月経周期が異常に長い。
頻発月経
月経周期が非常に短い。
過少月経
月経の持続日数が2日以下。
過多月経
月経の持続日数が8日以上、あるいは月経量が多い。
【原因】生殖器の異常以外にも原因があります
月経異常にはさまざまな原因が考えられます。
月経異常の主な原因
子宮付属器炎
月経困難症
骨盤腹膜炎
月経困難症
子宮内膜症
月経困難症、過多月経
子宮筋腫
月経困難症、過多月経
子宮の発育不全
過少月経
人工妊娠中絶
無月経、過少月経
分娩時の子宮内膜の損傷
無月経
視床下部や下垂体の異常
無月経、稀発月経
早発型更年期による卵巣機能の停止
無月経
卵巣機能の異常
頻発月経、過少月経、過多月経
子宮内膜結核
無月経
甲状腺の働きの異常
稀発月経
ストレス
月経困難症、無月経、過多月経
【考え方】症状によって異なる原因と処方
生理痛
生理痛は、血の流れが滞った「瘀血」(おけつ)の状態と考えます。
瘀血には、気血の流れが悪くなることによって起こるものと、気血が不足することによって起こるものとがあります。前者の場合、血の流れを良くする「活血薬」(かっけつやく…紅花〈こうか〉など)、気の流れを良くする「理気薬」(りきやく…香附子〈こうぶし〉など)、身体の冷えを取る「散寒薬」(さんかんやく…乾姜〈かんきょう〉、桂皮〈けいひ〉など)を使います。
後者の瘀血には、気を補う「補気薬」(ほきやく…人参など)、血を補う「補血薬」(ほけつやく…当帰〈とうき〉、白芍〈びゃくしゃく〉など)を処方します。
また、血は食物から「脾」(胃腸などの消化器系)の働きによってつくられるので、脾の働きをよくする「健脾薬」(けんぴやく…人参、黄耆〈おうぎ〉、陳皮〈ちんぴ〉など)も使います。
無月経
経血の原料である「気血」の不足や、気血が滞り「瘀血」になっているため、経血が現れないと考えます。
生理痛の漢方薬と同じように、補気薬、補血薬、活血薬、散寒薬などを使います。
先天的に、生命エネルギーの源である物質(腎精:じんせい)が不足して無月経になっている場合もあります。この場合、腎精を補う「補腎薬」(ほじんやく…鹿茸〈ろくじょう〉、塾地黄〈じゅくじおう〉など)もあわせて処方します。
月経前症候群(PMS)
主に気の流れが滞った「気滞」と考え、気の滞りを改善する「疎肝理気薬」(そかんりきやく…柴胡〈さいこ〉、薄荷〈はっか〉など)を使います。
稀発月経
主に気の流れが滞った「気滞」と考え、気の滞りを改善する「疎肝理気薬」(そかんりきやく…柴胡〈さいこ〉、薄荷〈はっか〉など)を使います。
稀発月経
気血が不足して経血ができない場合と、気血水が滞って経血が出にくい場とが考えられます。処方は、補血薬、理気薬、散寒薬などを使います。
頻発月経
頻発月経は、腎や脾の気の力が弱い場合や、血に熱がこもっている場合、瘀血などが原因と考えられます。処方としては、「補気薬」(ほきやく…黄耆〈おうぎ〉など)のほか、遺尿や精の漏れ(もれ)を改善し出血を止める「固腎止血薬」(こじんしけつやく…阿膠〈あきょう〉など)などが使われます。瘀血の場合は、生理痛の時と同じような漢方薬を使います。
その他
過少月経、過多月経、月経期延長も、上述のように気・血・水の過不足を考えて対処します。
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